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地震に対する病院のレトロフィット

病院などの重要なインフラには地震からの保護が必要

ルーマニアのスロボジアは、ブカレストの東120 kmにあるヤロミツァ郡の州都です。この地域では、小規模から中程度の地震が定期的に発生しています。2020年だけでも、ヤロミツァは9つの地震の影響を受けました。

そのため2007年当時、25万人以上に医療を提供している病院に耐震補強が必要であることは明らかでした。

課題

本プロジェクトには、2つの課題がありました。まず、スロボジア病院は既設構造であり、既存の設計に適応可能な耐震ソリューションを新たに開発する必要がありました。さらに、建物は5つの構造で構成されており、元の設計には重度の耐震対策は含まれていなかったため、「ハンマリング現象」が懸念されていました。2つ目の課題は、耐震補強中の病院の運営への影響でした。ルーマニアのこの地域では、この病院が医療における重要な役割を担っており、工事期間中の一時的な閉鎖は受け入れられず、入院患者の治療を継続する必要がありました。

技術データ:

構造:鉄筋コンクリート

設計上の荷重:177,400 kN
振動源:地震
建物の固有振動数:1.6〜2.0 Hz

ソリューション

この耐震補強改修は、従来の一般的な耐震補強とGERBのチューンドマスコントロールシステム(TMCS)の組み合わせで構成されています。

TMCSは、パッシブ制御の耐震装置となり、このシステムは水平方向の力を吸収します。また、メンテナンスフリーという特徴を持ちます。従来の耐震補強のみの場合とは違い、TMCSの設置中にも建物は継続運用が可能です。

耐震補強改修の最初のステップとして、建物間の相対的な動きを防止するため、天井スラブの結合が行われました。建屋には追加の耐震補強壁を設置するスペースは殆どなく、追設するにしても建物の運用を止めることはできません。

そのため、建物の外壁にあらたに3つの鉄骨構造を追設することとしました。

実装

TMCSは3つの鉄筋コンクリート製マスブロックが主要な構成部品となります。

追設された3つの鉄骨造外壁内部に1つずつこのマスブロックを取付け、金属コイルバネと吊り用鋼製ロープにて周期を調整します。この吊り構造はVisco®ダンパー(粘性ダンパー)によって減衰を付加しています。

効果

TMCSは、相対変位、層間変形、絶対加速度、および内部応力の観点から、地震による建屋への影響を大幅に低減しました。広範囲に及ぶ試験・計測を行った結果として、TMCSは建屋の地震応答を25%~40%低減することが明らかになりました。

 

スロボジア病院のレトロフィットは2014年に無事に完了し、ヤロミツァ郡知事と地区担当の保健大臣によって正式に公開されました。

謝辞:

この場を借りまして、Traian Popp氏に心より感謝を申し上げます。彼なしには、このプロジェクトの成功は不可能でした。この偉大なエンジニア、友人、人格者が2021年6月に亡くなられたことに謹んで哀悼の意を表します。

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    地震に対する病院のレトロフィット

    病院などの重要なインフラに対する地震対策

    ルーマニアのスロボジアは、ブカレストの東120 kmにあるヤロミツァ郡の州都です。この地域では、小規模から中程度の地震が定期的に発生しています。2020年だけでも、ヤロミツァは9つの地震の影響を受けました。

    そのため2007年当時、25万人以上に医療を提供している病院に耐震補強が必要であることは明らかでした。

    地震に対する病院のレトロフィット

    病院などの重要なインフラに対する地震対策

    ルーマニアのスロボジアは、ブカレストの東120 kmにあるヤロミツァ郡の州都です。この地域では、小規模から中程度の地震が定期的に発生しています。2020年だけでも、ヤロミツァは9つの地震の影響を受けました。

    そのため2007年当時、25万人以上に医療を提供している病院に耐震補強が必要であることは明らかでした。

    課題

    本プロジェクトには、2つの課題がありました。まず、スロボジア病院は既設構造であり、既存の設計に適応可能な耐震ソリューションを新たに開発する必要がありました。さらに、建物は5つの構造で構成されており、元の設計には重度の耐震対策は含まれていなかったため、「ハンマリング現象」が懸念されていました。2つ目の課題は、耐震補強中の病院の運営への影響でした。ルーマニアのこの地域では、この病院が医療における重要な役割を担っており、工事期間中の一時的な閉鎖は受け入れられず、入院患者の治療を継続する必要がありました。

    技術データ:

    構造:鉄筋コンクリート
    設計上の荷重:177,400 kN
    振動源:地震
    建物の固有振動数:1.6〜2.0 Hz

    課題

    本プロジェクトには、2つの課題がありました。まず、スロボジア病院は既設構造であり、既存の設計に適応可能な耐震ソリューションを新たに開発する必要がありました。さらに、建物は5つの構造で構成されており、元の設計には重度の耐震対策は含まれていなかったため、「ハンマリング現象」が懸念されていました。2つ目の課題は、耐震補強中の病院の運営への影響でした。ルーマニアのこの地域では、この病院が医療における重要な役割を担っており、工事期間中の一時的な閉鎖は受け入れられず、入院患者の治療を継続する必要がありました。

    詳細な技術データ:

    構造:鉄筋コンクリート
    設計上の荷重:177,400 kN
    振動源:地震
    支持体固有振動数:1.6〜2.0 Hz

    ソリューション

    この耐震補強改修は、従来の一般的な耐震補強とGERBのチューンドマスコントロールシステム(TMCS)の組み合わせで構成されています。

    TMCSは、パッシブ制御の耐震装置となり、このシステムは水平方向の力を吸収します。また、メンテナンスフリーという特徴を持ちます。従来の耐震補強のみの場合とは違い、TMCSの設置中にも建物は継続運用が可能です。

    耐震補強改修の最初のステップとして、建物間の相対的な動きを防止するため、天井スラブの結合が行われました。建屋には追加の耐震補強壁を設置するスペースは殆どなく、追設するにしても建物の運用を止めることはできません。

    そのため、建物の外壁にあらたに3つの鉄骨構造を追設することとしました。

    ソリューション

    この耐震補強改修は、従来の一般的な耐震補強とGERBのチューンドマスコントロールシステム(TMCS)の組み合わせで構成されています。

     

    TMCSは、パッシブ制御の耐震装置となり、このシステムは水平方向の力を吸収します。また、メンテナンスフリーという特徴を持ちます。従来の耐震補強のみの場合とは違い、TMCSの設置中にも建物は継続運用が可能です。

     

    耐震補強改修の最初のステップとして、建物間の相対的な動きを防止するため、天井スラブの結合が行われました。建屋には追加の耐震補強壁を設置するスペースは殆どなく、追設するにしても建物の運用を止めることはできません。

    そのため、建物の外壁にあらたに3つの鉄骨構造を追設することとしました。

    実装

    TMCSは3つの鉄筋コンクリート製マスブロックが主要な構成部品となります。

    追設された3つの鉄骨造外壁内部に1つずつこのマスブロックを取付け、金属コイルバネと吊り用鋼製ロープにて周期を調整します。この吊り構造はVisco®ダンパー(粘性ダンパー)によって減衰を付加しています。

    効果

    TMCSは、相対変位、層間変形、絶対加速度、および内部応力の観点から、地震による建屋への影響を大幅に低減しました。広範囲に及ぶ試験・計測を行った結果として、TMCSは建屋の地震応答を25%~40%低減することが明らかになりました。

     

    スロボジア病院のレトロフィットは2014年に無事に完了し、ヤロミツァ郡知事と地区担当の保健大臣によって正式に公開されました。

    謝辞:

    この場を借りまして、Traian Popp氏に心より感謝を申し上げます。彼なしには、このプロジェクトの成功は不可能でした。この偉大なエンジニア、友人、人格者が2021年6月に亡くなられたことに謹んで哀悼の意を表します

    実装

    TMCSは3つの鉄筋コンクリート製マスブロックが主要な構成部品となります。

    追設された3つの鉄骨造外壁内部に1つずつこのマスブロックを取付け、金属コイルバネと吊り用鋼製ロープにて周期を調整します。この吊り構造はVisco®ダンパー(粘性ダンパー)によって減衰を付加しています。

    効果

    TMCSは、相対変位、層間変形、絶対加速度、および内部応力の観点から、地震による建屋への影響を大幅に低減しました。広範囲に及ぶ試験・計測を行った結果として、TMCSは建屋の地震応答を25%~40%低減することが明らかになりました。

     

    スロボジア病院のレトロフィットは2014年に無事に完了し、ヤロミツァ郡知事と地区担当の保健大臣によって正式に公開されました。

    謝辞:

    この場を借りまして、Traian Popp氏に心より感謝を申し上げます。彼なしには、このプロジェクトの成功は不可能でした。この偉大なエンジニア、友人、人格者が2021年6月に亡くなられたことに謹んで哀悼の意を表します。

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